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Japan Treasures 最終報告会 REPORT(後半)

トークイベント終了後、10分ほどの休憩を挟み、株式会社羽田未来総合研究所 代表取締役社長 大西洋氏より、「地場産業のブランド価値をいかに上げていくか」をテーマにしたご講演が始まりました。話の節々にインバウンド・アウトバウンドについて重要なことを伝えていただき、メモを取る人も多く見受けられました。「日本のGDPのほぼ半分は地域によるものです。ですから、地域経済をいかに喚起していくかということはものすごく重要です」、「作り手の人材の価値とプロダクトの価値を評価して、外国人の方たちに、きちんとプレゼンテーションして、評価を高めて、生産性を上げて、所得を増やしていかないといけない」、「日本が誇れる生活文化産業というのはライフスタイルの提案です。欧米の方は、ご自分の生活の中に溶け込むモノを選ぶ傾向があるので、日本の優れたプロダクトをストーリー性をもって紹介すると、欧米の方はちゃんと買っていただけるんじゃないかと思っています。その辺がひとつキーになるかなという気がいたします」など、約30分の講演時間の間で、ためになるお話をたくさんしていただきました。

続いて、「輪島」と「唐津」事業の成果報告が始まりました。先ほどと同じように、各事業の代表者とプロデューサーが登壇し、取り組み内容や成果をご報告していただきました。「最盛期の1/5程度に落ち込んでいる輪島塗は、海外の販路開拓が重要なミッションの一つでした。本事業では、輪島塗の価値を伝えるブランドストーリーを構築するとともに、商品開発に世界的な建築家である隈研吾氏を起用することで、訴求力を強め、外国人インフルエンサーを招聘したメディア展開や台湾市場の販路開拓の強化に取り組みました」という輪島事業の成果報告や、唐津の事業では「中国人インフルエンサーを招聘したFAMトリップや中国向けのプロモーション映像など、中国向け越境ECの強化を図ったところ、売上がなかった昨年と比べて、今年度は約6,000万円の売上が見込めます」という一定の成果を得られた一方で、「競争時代の昨今、どのエリアに、どのターゲットで、どう伝えていくか。外国人への訴求方法が今後の課題」と今後の課題についても触れていました。

そのあと、事業の代表者とプロデューサーが登壇し、二度目のトークイベントが始まりました。テーマは「地場産業のブランド価値をいかに上げていくか」です。「輪島」と「唐津」の事業を通して、テーマに沿った議論が行われました。

隈研吾氏による輪島塗をお披露目した「ダイニングアウト」のイベントで、その日に400万以上の売上があった成果報告や、「輪島塗のブランドイメージは台湾の方に伝わったのか?」という司会者の質問に対し、「まだこれから伝えていく段階。日本の伝え方はスピード感が遅く、例えば、地域ブランドを広める編集拠点を台湾に作り、発信していくことが大事」といった事業についてさらに踏み込んだディスカッションが交わされました。

また、「地域のブランドをどうプレミアム化していくか?」という質問に対しては、「リサーチが大切。その町の歴史の勉強から、地元のおじいちゃん、おばあちゃん、学生、子供、高校の先生などいろんな角度から魅力を調べる。そうしたときに、自分たちがいいと思っても、地元の人はそうでもないと思っているものがある。そのズレの中にブランディングのヒントがあることが多い。それからかっこよく見せることにも気をつけている。地元の方々が自分たちのものにプライドを持てるかどうかがポイントで、クオリティの高いものをスマートに見せることを意識している」といった回答をいただくなど、いろいろと勉強になるお話を聞くことができました。

トークイベント終了後、最後は、経済産業省 商務・サービスグループクールジャパン政策課の橋本文子氏から、今後のクールジャパン事業の政策説明をしていただき、閉会となりました。各事業の取り組みと成果、そして今後の課題が見えた密度の濃い最終報告会でした。